今回は、「幸運を招く石」と呼ばれるエメラルドについてご紹介します。
「エメラルドってどんな宝石?」
「種類や特徴って?」
などなど、エメラルドに込められた宝石言葉や、産地と種類の特徴、選び方から歴史について一挙解説!
宝石としての価値や鉱物としての希少性が知りたい方も、本記事を一読して理解を深めていきましょう。
- エメラルドの価値を理解できる
- 産地/種類ごとの特徴を知ることができる
- エメラルドの石言葉を知る
目次
「エメラルドとは?」色の理由や鉱石名について
【エメラルドの基本情報】
宝石名/和名 |
エメラルド/翠玉・緑玉
|
鉱石名/和名 | ベリル/緑柱石 |
比重 | 2.6~2.8 |
硬度 ※モース硬度 |
7.5~8 |
主な産地 |
・コロンビア産
・ザンビア産 ・サンダワナ産(ジンバブエ) |
誕生石 |
5月
|
エメラルドは、「ベリル(和名:緑柱石)」という「アクアマリン」と同じ種類の鉱石から採取される宝石です。
西洋のことわざで「キズ一つないエメラルドを得ることは、欠点のない人間を探すより難しい」とされるほど繊細な宝石であり、加工には卓越した技量が求められます。
故に、合成エメラルドと天然エメラルドの見極めに「内部の傷」が標識として用いられています。
(※一方、大きくて傷が少なく、緑色の強い物が「最上級」として扱われるという、ある種の矛盾を抱えています。)
また、エメラルドの歴史は古く、古代ギリシア時代からパワーストーンとして用いられてきました。
エメラルドはなぜ緑色に輝くの?
アクアマリンと同じ「ベリル」という鉱石から採取されますが、エメラルドとして採取されるベリルには、クロム(Cr)・バナジウム(V)等が不純物として偶然混じることで美しい緑色を放っています。
不純物の混入具合によっては、黄緑色等の色合いに発色するものもありますが、これらはエメラルドとして扱わず、単なる鉱物名「ベリル」として扱われるため希少価値が付きません。
また、黄緑色への発色は鉄イオンが関係しており、エメラルドのクロムやバナジウムによる発色原理とは異なる性質を持つことも区別される理由になっています。
エメラルドの宝石言葉について
エメラルドの宝石言葉は、「幸運・愛情・安定・希望」などで、前向きな未来を意味しています。
中世のヨーロッパでは、「女性の貞操を守り夫の愛を保つ」という意味で、愛情のシンボルのように、身に着けられていました。
また、解毒や下剤・消化を助ける等、無病息災の力もあるとして用いられていた背景もある他、未来を予言する石として重用された経緯もあって、今の宝石言葉たちが掲げられるようになったのです。
結果として、恋人や夫婦間の贈り物としてエメラルドを使ったアクセサリー等が人気になり、古代ギリシア時代から現代に至るまで用いられています。
エメラルドの種類(産地)と希少価値とは?
【産地ごとの価値比較】
※()内は算出される比率
※「GQ=ジェムクオリティ(宝石単体で価値のある最高品)」
※「JQ=ジュエリークオリティ(宝飾品に使われる上質な品)」
※「AQ=アクセサリークオリティ(装飾品に使われる一般的な品質)」
1Caratの価値比較 | GQ | JQ | AQ |
コロンビア産 | 5(1%) | 1(9%) | 0.1(90%) |
ザンビア産 | 4(5%) | 1(15%) | 0.1(80%) |
サンダワナ産 (0.03Carat)※ |
1(30%) | 0.3(30%) | 0.05(40%) |
(※サンダワナ産は0.03Caratが他鉱山の1Caratに相当するサイズのため)
エメラルドの希少価値は、その種類(産地)によって大きく異なります。
エメラルドは地中深くから長い時を経て生成される鉱石であるため、地層の環境によって品質が大きく変わってくるのです。
今回は、多数あるエメラルドの産地の中から、代表例を3つ挙げてご紹介します。
・コロンビア産のエメラルド
コロンビア産のエメラルドは、「柔らかく美しいグリーン」であることが特徴です。
特にムゾー鉱山から採掘されたエメラルドは最高級エメラルドとして「カシミール産サファイア」「モゴック産ルビー」と共に「最も貴重なカラーストーン」に数えられるほどであり、希少性によっては同カラットのダイヤモンドより高額になるケースがあります。
他の産地と比較すると、コロンビア産のグリーンはクロム元素による発色に起因するところが大きく、その他はバナジウム元素による発色起因であることが挙げられます。
・ザンビア産のエメラルド
ザンビア産のエメラルドは、「ブルーが強い緑色」が特徴的です。
コロンビア産と比較して、グリーン色の深みに欠けるものが多いとされており、カラット数が大きい物は美しさに欠けると評されることも。
ただし、ジュエリーやアクセサリーに使う0.5カラット程度のサイズの物には、魅力的なエメラルドがあるため、主力として用いられています。
原石は丸みを帯びているものが多いので、オーバルカット(楕円形のカット)にして加工されるケースが目立ちます。
・サンダワナ産(ジンバブエ)のエメラルド
サンダワナ産エメラルドは、「黄色味を帯びた淡い緑色」が特徴的です。
ジンバブエ国内には複数の鉱山がありますが、サンダワナ鉱山を含む2か所の鉱山以外では1年で1つもエメラルドが取れなかったという話が出回っているほど希少であり、ジンバブエ産エメラルドで高品質の品物を探すのは困難を極めます。
また、サイズの大きい物は透明度が低い物が多く、小型のエメラルドが主流です。
他の特徴として、研磨しても美しい発色を保ち続けるため、アクセサリーとして使いやすい産地の一つと言えるでしょう。
まとめ:幸運のお守りとして「エメラルド」は最適な宝石
今回は、エメラルドについて解説させて頂きました。
エメラルドは古くから「富・権力の象徴」「未来を予言する力を持つ石」「愛を保つ石」として重宝されてきたパワーストーンの一つ。
幸運を招く石として、エメラルドのアクセサリーをお守り代わりに身に付けたり、部屋に飾ったりするのもオススメです。
男女問わず身に着けられる色合いなので、恋人や友達に「幸運を招く石」をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。