サファイアは青色だけじゃない!様々な色味が美しいモンタナサファイアをご紹介

ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つサファイア。深い青色の美しさはもとより、9月の誕生石としても広く知られている天然石です。ルビー、エメラルド、ダイヤモンドと並んで四大貴石にも数えられるサファイアですが、産地によって少しずつ特徴も異なります。

2022年大流行中のモンタナサファイアも、そんな特徴的なサファイアの一つです。アメリカ西部でカナダと国境を接するモンタナ州で産出されるこのサファイアは、一般的な深い青色だけでなく、グリーンやイエローのものもあります。このように魅力的なモンタナサファイアについて、詳しく説明していきます♪

禁煙はテレビ番組でも紹介されますます注目のサファイアです!

この記事を読んで分かること
  • モンタナサファイアの特徴がわかる
  • モンタナサファイアの取り扱い方法がわかる
  • モンタナサファイアの価値がわかる

 

目次

モンタナサファイアとは

モンタナサファイアのビーズ

【モンタナサファイアの基本情報】

宝石名 モンタナサファイア
和名 蒼玉、青玉 (サファイア)
英名 Montana Sapphire
比重 3.98 - 4.06
硬度 9
主な産地 アメリカ・モンタナ州
誕生石 9月 (サファイア)
比較的強い
日光 比較的

サファイアは東南アジアを中心に産出されることが知られていますが、アメリカ、特にモンタナ州で採掘できることも、19世紀中ごろから認識されています。それだけの歴史を持っているモンタナサファイアですが、一番の特徴はその色味でしょう。

詳しくは後ほど説明しますが、モンタナサファイアは透明感が高く、色合いも青色にとどまらず、イエローやグリーンのものもあります。非常に少ないもののピンク色のものも発見されており、これらのような色合いのサファイアを「ファンシーカラーサファイア (Fancy Color Sapphire)と分類することもあります。また、青色のブルーサファイアについても、カラーが均一で透明感があるのが特徴です。このような青色を、「スティールブルー (Steel Blue)と呼びます。

モンタナサファイアは古くからモンタナ州で採掘されていましたが、その価値を見出したのは現在に続くティファニーのジョージ・F・クンツ博士で、時代は19世紀末のことです。それまで流通していた深い青色のサファイアとは異なり、透明感のあるサファイアにひどく驚いたと言われています。

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クンツ博士の功績にあやかって名前を付けられた天然石が、クンツァイトです。先日の誕生石追加で、サファイアと同じ9月の誕生石として仲間入りしましたね!

モンタナサファイアの産地


モンタナサファイアと言っても、モンタナ州全域にわたって採掘できるものではありません。大きく分けて4か所が知られています。

ヨーゴ鉱床

一つ目がヨーゴ鉱床です。クンツ博士が鑑別したサファイアも、ヨーゴ鉱床で採掘されたモンタナサファイアでした。ヨーゴ鉱床で産出されるサファイアは、透明感のある青色から青紫色で、カラーが全体にわたって均一に広がっているのが大きな特徴です。一方で、産出量が少ない上に、原石が小さいことから、流通量は非常に少ないと言えます。東南アジアで大量に採掘されるサファイア市場の中ではなかなか目にすることができないため、価値は非常に高いと言えるでしょう。また、ヨーゴ鉱床は現在新規採掘が停止されていることから、市場に出回っているサファイアがすべてということになりますので、希少価値も高まっています。

ロッククリーク鉱床

続いてモンタナサファイアを採掘できる場所としては、ロッククリーク鉱床も知られています。こちらではヨーゴ鉱床と比較して産出量は多いものの、サイズは小さいものが多いです。平均で1ctを超える程度とされています。こちらも非常に透明度の高いサファイアで、色合いは青色が弱く、イエローやピンクなどのものが多く見られます。20世紀前半には時計製造などの工業用途に用いられていましたが、その後合成サファイアが人工的に作れるようになったことから、少量が宝石用として流通するようになりました。こちらのロッククリークでは、現在も採掘が行われています。

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サファイアは、「鋼玉」とも呼ばれる鉱石「コランダム」の一種ですが、同じくコランダムのルビーも、ロッククリーク鉱山で採掘できます!

ミズーリ川周辺・ドライコットンウッドクリーク鉱床

その他、ミズーリ川周辺ドライコットンウッドクリーク鉱床での産出もありますが、量としてはあまり多くありません。ただ、ミズーリ川では規則的に石が並び、比較的整っている形のサファイアが多く、ドライコットンウッドクリーク鉱床では火山岩と融合した形のサファイアが見つかるなど、特徴的なサファイアが採掘されることには相違ありません。

モンタナサファイアの価値

モンタナサファイアのルース

サファイアは一般に価値の高い天然石の一つとして数えられていますので、モンタナサファイア自体が、他の天然石と比較して価値の高いものであることに相違ありません。ただし、そのサファイアの中でも、モンタナサファイアは特に希少性が高い種類とみなされています。

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ヨーゴ鉱床産のモンタナサファイアで1ctを超えるものは、その希少性から1万ドル(約135万円)を超える値が付けられることもあります!

それは、モンタナサファイアが特定の場所でしか採掘されないためでもありますし、既に説明した通り、原石自体が小さいことも理由の一つです。ただ、モンタナサファイアの価値が高いとみなされているのには、他にも理由があります。

国際化が進む中で、鉱物がどのような環境で採掘され、どのように流通しているかという部分への関心が高まっています。例えば紛争地域での鉱物は、奴隷労働によって採掘されているという懸念があるため取引しないというのは、世界的にも標準的になってきています。その点、モンタナサファイアは先進国であるアメリカ国内で産出され、その取引も公正で、サプライチェーンも追跡可能であることから、高く評価されています。

た、品質の面からも信頼を得ています。サファイアは、一般的に想像されるような美しい青色のものが求められる傾向にあるため、場合によっては熱処理によって色を強めたりしている場合があります。その点、モンタナサファイアは他の産地ではなかなか見られないファンシーカラーや透明度を売りにしていることもあって、ヨーゴ鉱床産のモンタナサファイアに対しては熱処理を行っていません。より自然の形で、人の手が加わっていない状態で流通することも、モンタナサファイア、特にヨーゴ鉱床のサファイアの価値が高くなっている理由なのです。

一方で、ロッククリークのモンタナサファイアは熱処理を行うことが多いですが、そのことによって価値が下がるわけではなく、色味が強く出るため、こちらも高く評価されているモンタナサファイアであることに違いはありません。 

モンタナサファイアの取り扱い方法

モンタナサファイアのビーズ

モンタナサファイアは、見た目は一般的なサファイアと異なる部分もありますが、物質の特性は一般的なサファイアと同じですので、取扱い方法も同じとなります。

サファイアは硬い天然石ですので、柔らかい布であれば、手で拭き取って表面にキズが付くようなことはほとんどありませんので、力加減などであまり神経質になる必要はないでしょう。また、超音波洗浄にかけても問題ありません。

少し汚れが気になるときには、中性洗剤であれば使用できます。温水を使いながら丁寧に磨くように洗うと、きれいに汚れが落ちていきます。なお、洗った後は洗剤をきれいに洗い流すようにしましょう。水にも強いので、1時間程度であればつけおきも可能です。柔らかいものであれば、歯ブラシを使用しても問題はないでしょう。

サファイアの中には、場合によっては染色されているものもあり、そのような石は水につけると色落ちしてしまう可能性があります。ただし、モンタナサファイアであれば、採掘後の加工は行っていませんので、安心してお手入れできますよ♪

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サファイアは硬いので、保管するときには他の天然石と接触しないようにしましょう。サファイアは無事でも、他方の石にキズが付いてしまいます…。

サファイアの石言葉などはこちらの記事をチェックしてみてください!

まとめ

モンタナサファイアのルース

今回は、サファイアの中でも特徴的なモンタナサファイアを紹介しました。多く流通している青色のサファイアとは異なり、多色性があり透き通るモンタナサファイアは、爽やかな印象も与えてくれます。

透明度の高いモンタナサファイアを身に着けるときには、洋服などの色でモンタナサファイアが目立たなくなってしまわないよう、パステルカラーや白色、または紺や黒などの深い色と合わせると、存在感を示してくれますよ♪

モンタナサファイアの流通量は限られていますので、もしも興味がある方は、インターネットなどでまずはモンタナサファイアを扱っている業者を探してみるのも楽しいかもしれませんね!

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